今回紹介する銘柄はアメリカ通信事業最大手のAT&T(ティッカー:T)です。
連続増配を35年記録しており、利回りも高い銘柄です。どんな企業なのか、見ていきましょう。
AT&Tってどんな企業なのか
エー・ティー・アンド・ティー(AT&T Inc.)は、世界において電気通信、メディアおよび技術サービスの提供に従事する持株会社である。【事業内容】同社は、通信セグメント、ワーナーメディアセグメント、ラテンアメリカセグメント、およびザンダーセグメントの4つのセグメントを通じて事業を行う。通信セグメントは、消費者に無線および有線の通信、ビデオおよびブロードバンドサービスを提供する。同セグメントは、モビリティ、エンターテインメントグループ、およびビジネスワイヤラインを含む。ワーナーメディアセグメントは、長編映画、テレビ、ゲーム、その他のコンテンツを物理的フォーマットおよびデジタルフォーマットで開発、制作、および配信する。同セグメントは、ターナー、ホームボックスオフィス及びワーナーブラザーズを含む。ラテンアメリカセグメントは、ラテンアメリカでは娯楽サービスを、メキシコでは無線サービスを提供する。同セグメントの部門はヴィロとメキシコを含む。ザンダーセグメントは広告サービスを提供する。
SBI証券
となっております。ライバル会社は「ベライゾン(V)」とされています。ちなみにベライゾンも高配当株として知られています。
AT&Tは大規模なM&A(合併・買収)をたびたびおこなっているため、「安定」を求める配当狙いの投資家たちから敬遠されたのかもしれません。私としては積極的・戦略的なM&Aはプラスに感じます。
AT&Tの基本データ

PERは15倍程度とちょうどいい感じがします。
配当利回りが5.5%は高配当の域ですが、以前は7%前後あったことを考えると少し下がったなーという印象を受けます。
AT&Tの株価チャート

過去10年間の株価です。35ドル前後を推移している感じでしょうか。私としてはもう少し株価が上がってもいいのかな、なんて思っています。

1年間のチャートです。米国株全体的に苦しかった冬を乗り越え、株価は回復しています。
30ドルを割ったときにはさすがに買いだなと判断し、300株近く購入しました。
配当額・配当落ち日・基準日・配当支払い日

配当は「2,5,8,11月の年4回」支払われます。3カ月に1回です。
配当額も安定しています。「次は配当いくらかな?」といったワクワクはありませんが、手堅く増額してくれる安心感はあります。
一株当たりの配当金と配当性向
過去10年間のデータをグラフ化してみました。

配当金額(青い棒グラフ)は左軸を、配当性向(オレンジの折れ線グラフ)は右軸を見てください。
青い棒グラフに注目してみてください。微増ですが徐々に高くなっていることが見て取れます。
一定の増配を繰り返しているため、棒グラフはきれいに増加しています。
連続増配年数は35年となっており、今後も増配が期待されます。
配当性向ですが、2015年に200%以上の数字をたたき出しています。利益の2倍の配当金を出していることになります。何十年も続けた増配ですから、意地でも連続増配をつなぎたかったのでしょう。
配当性向が異様に高くなったのは先に述べたようにM&Aの影響がかなり大きいです。
営業・フリーキャッシュフロー

キャッシュフローについては「安定している」と判断することができると思います。
2014年フリーキャッシュが少ないのはM&Aが影響しています。
2014年に米衛星テレビ放送最大手ディレクTVDTV.Oを485億ドルで買収しました。
485億ドルって日本円で・・・5兆円以上!!規模が違いすぎる。
AT&TのM&A戦略に待ったをかけるエリオット
エリオットって誰?無知な私はそう疑問を抱きました。
調べてみると、エリオットは380億ドル(約4兆円)を運用するヘッジファンドで、アクティビスト戦略では、欧米や日本を含むアジアの企業に幅広く投資しているということです。
この「アクティビスト戦略」というのは「企業に改善や改革を要求する」ということです。
AT&Tへの投資額は32億ドルで、1社あたりの投資額としては過去最大規模となりました。
この材料で株価は5%高になりました。
このエリオットの存在がAT&Tの積極的な(無謀ともいえる?)M&A戦略を変えていくのか期待しましょう。
AT&TのM&Aは規模が多きすぎるので、リスクとしてどうしても見てしましますよね。
無理矢理まとめ
・AT&Tはアメリカ通信事業大手企業である。
・配当5%~7%の高配当しかも35年連続増配実績銘柄である。
・配当支払い月は「2,5,8,11月」である。
・やんちゃなM&Aが特徴で負債が懸念材料であるが、物言う株主エリオットがM&Aを沈めてくれるか今後に期待。
life is wonderful.